治療費を打ち切られる要因
保険会社は、治療費について、これ以上治療を続けても改善が見込めない状態(症状固定)に達するまで支払義務を負いますが、保険会社独自の判断で治療打ち切りをすることが多々あります。過失割合や事故態様に争いがある場合、治療費の支払いを拒まれる恐れがありますが、治療費を打ち切られるその他の要因として、
①接骨院の治療が多い、
②医療機関から保険会社に対しての治療費請求額が通常よりも過大であり、保険会社が治療費の金額を争う方針を決めた、
③そのままのペースで治療を継続されると、被害者が後遺障害等級を獲得する見込みとなり、結果的に保険会社の負担額が増大するため、後遺障害等級認定を抑止するためにあえて治療を打ち切ろうとしている、
④治療内容が変わっており、事故と現在の症状との因果関係を否定しようとしている、
などの可能性があります。
このように、治療費の争いが生じる場合には様々な要因があり、被害者としての戦い方も、先方のスタンスに応じて変えていく必要があります。場合によっては医療機関と相談し交渉する必要もあるかもしれませんし、保険会社とのやり取りを見直す必要があるかもしれません。
まずは、なにかお力になれることがあると思いますので、弁護士にお気軽に相談ください。
健康保険または労災保険をしっかり使いこなす
治療費を打ち切られた場合でも、被害者の方の負担を出来る限り最小限に食い止める方法として、健康保険または労災保険をしっかり使いこなすことがまず考えられます。
健康保険の場合、3割負担部分を自費で負担しながら通院しなければなりませんが、自由診療に比べると、負担額は20分の1近くになることもありますし、負担感は小さくなります。この負担額は、被害者ご本人に立て替えていただき、自賠責保険から回収するか、任意保険会社に対して後日請求していくことになります。病院に事情をしっかりと説明することが必要ですが、弁護士から説明したほうがうまくいく場合がほとんどです。
人身傷害保険を使う
被害者の方が加入している任意保険に人身傷害保険が付いている場合、人身傷害保険により治療費を対応してもらうこともあります。
この場合、人身傷害保険も、自賠責に確認を取ってからの対応になることも多く、しばらくは自費で負担を迫られることもあり、病院との交渉が必要な場合もあります。
人身傷害保険を使う場合には、専門性を伴う判断が必要ですので、弁護士に相談されることをおすすめします。
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